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イベント開催報告 『量子コンピュータ講演会』を開催しました(2023年12月7日)

2023.12.15 イベント/登壇情報

「量子コンピュータ」に関する講演会をクロスイノベーションセンターにて開催しました。

人類の科学技術の趨勢を左右するともいわれる量子技術。
当社の「ビックデータの活用に関する研究」の一環として、先駆的に量子コンピューティングビジネスを展開している、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社様、株式会社Jij様および株式会社QunaSys様をお招きし、当社職員向けにレクチャーいただきました。
当日は、クロスイノベーションセンター勤務の職員や技術研究所の職員、約40名が参加し、講演会後も予定時間を大幅に延長してディスカッションを行いました。
今回ご講演いただいた内容を参考にさせていただき、当社も量子コンピューティング技術の実活用を目指し、社会のニーズの変化を⾒据えた事業・サービス、そして未来づくりを今後も展開してまいります。

<講演会概要>

■伊藤忠テクノソリューションズ株式会社様  https://www.ctc-g.co.jp/

ご登壇いただいた羽間収様と松本直樹様には、量子コンピューティング活用支援サービス「CUVIC for Quantum」を提供するプレイヤーとして、量子コンピュータの概要からはじまり、実ビジネスへの適用事例(風車配置問題)などを分かりやすく解説いただきました。

 

■株式会社Jij様  https://www.j-ij.com

ご登壇いただいた取締役COO中田宙志様は、ラグビーワールドカップ2019組織委員会の人事企画部長として組織開発等に尽力された経歴をお持ちで、量子技術を建設業界のビジネスに展開する観点からユースケースを交えレクチャーいただきました。

 

■株式会社QunaSys様  https://qunasys.com

同社は、量子コンピュータの社会実装の実現を目指して2018年に創業したスタートアップで、量子ソフトウエアの開発や企業との共同研究に注力しており、50社以上が参加する日本有数の量子コミュニティも運営しています。ご登壇いただいた渡辺海様には、諸外国の動向や最先端の量子技術などグローバルな視点でレクチャーいただきました。

■参考:量子技術・量子コンピュータとは

「量子技術」とは、量子特有の性質を情報処理などに活用する技術のことで、代表的なものとしては「量子コンピュータ」が挙げられます。そのほか、高感度な量子計測・センシング、高セキュリティの量子ネットワークなどに応用され、医療や材料、金融、エネルギー、交通など様々な分野での発展が期待されています。一方で、この量子技術は、建設分野など産業上のユースケースは現時点ではまだ少ないため、当社では量子技術を先進的に活用すべく研究開発を行っています。

(参考:文部科学省https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/ryoushi/mext_01422.html

 

量子コンピュータを使うと、「スーパーコンピュータを使っても膨大な時間のかかる計算を、はるかに短い時間で行える」と認識している方も多いのではないでしょうか?しかし、現段階、スーパーコンピュータなど従来の「古典コンピュータ」と比べて、量子コンピュータで高速に計算できる問題は限られており、社会実装が期待されているのは量子化学計算、機械学習、量子シミュレーションなど非常に限定的です。米Google社が2019年に最先端のスーパーコンピュータで約1万年かかる計算を、53個の量子ビットを使い約3分で解いたと発表しました。しかし、これは量子コンピュータが得意な問題と古典コンピュータでは解きにくい問題の比較であるとも言われています。

従来の古典コンピュータは「0」か「1」かで情報を処理しますが、量子コンピュータは「0であり、かつ1でもある」という量子力学的な不思議な現象である「重ね合わせ」を利用して特殊な状態で計算します。この状態は「量子ビット」と呼ばれる計算単位で表し、数の多さは計算性能に直結します。量子コンピュータがスーパーコンピュータの能力を超えるためには、この量子ビット数の増設や、量子ビットのエラーを訂正する「量子誤り訂正」の実現、量子コンピュータを動作させるための冷却(絶対零度-273℃付近まで)など、技術的課題が多くあります。そのため、スーパーコンピュータを凌駕するには、あと10数年程度かかると言われていますが、量子コンピュータの社会実装に向けて、世界中の多くの人々が期待を寄せています。

(参考:産総研マガジン https://www.aist.go.jp/aist_j/magazine/20220518.html

 

■参考:量子未来社会ビジョン~量子技術により目指すべき未来社会ビジョンとその実現に向けた戦略~

内閣府・統合イノベーション戦略推進会議は、「量子未来社会ビジョン~量子技術により目指すべき未来社会ビジョンとその実現に向けた戦略~」(令和4年4月)」を発表しています。同ビジョンでは、量子技術を「経済安全保障上でも極めて重要な技術」と位置付け、将来目標として「量子技術による社会変革」を打ち出しています。さらに同ビジョンによると、我が国は、将来の目指すべき社会像として「Society 5.0」や「データ駆動型社会」を世界に先駆けて掲げており、特に人工知能(AI)やデータ連携基盤は経済・産業政策上、競争力の源泉となる重要な技術インフラとなっています。そのため、量子コンピュータ技術に代表される量子技術は、こうした重要技術インフラをさらに飛躍的・非連続的に発展させる鍵となる基盤技術とし、将来的には、効率的な創薬研究や、盗聴不可能な通信、エネルギー電力の最大限利用、多様なニーズを満たす次世代モビリティサービス、防災・減災対応など、広い分野への応用が期待されています。(右図 出典:内閣府「量子未来社会ビジョン~量子技術により目指すべき未来社会ビジョンとその実現に向けた戦略~」より抜粋,令和4年4月)

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